リジット シビック TypeR EK9 開発日記


リジットシビック EK9

セッテイング&コメント責任者:中村誠司(アルファ代表)
テストドライバー:岡野博史(アルファ・テスト契約ドライバー)
車輌製作責任者:高橋明裕(アルファ・チーフメカニック)



車両仕様

RIGIDスプリング
RIGIDスタビライザー 廃版
アルファサスペンションキット 廃版
無限LSD
無限ブッシュ
TETRXバケットシート 廃版
パイロテクトシートベルト 廃版
TETRXショルダーパッド 廃版
RIGIDブレーキパッド
RIGIDスリットローター 廃版
RIGIDクラッチカバー&ディスク
RIGIDフライホイール 廃版
RIGIDタワーバー 廃版
RIGIDマフラーリング
RIGIDホイールナット
RIGIDシフトノブ
RIGIDエアーフィルター
FRP軽量ボンネット 廃版
9BS軽量バッテリー 廃版
無限マフラーシステム等。



開発日記

「9月2日」 アルファに納車される。(2名乗車)

「9月2〜5日」 暫定仕様で製作。

9月5日」 エンジン・ボディ・LSD等の慣らし走行開始(現在500km走行)

9月8日」 エンジン・ボディ・LSD等の慣らし走行終了(現在1000km走行)

9月10日」 日光スピードパークでシェイクダウン

9月11日」 浅間台スポーツランドでテスト走行

9月12日」 日光スポーツランドでミラージュRSとの比較テスト(プレイドライブ取材・10月発売誌に掲載予定)

9月15日」 スピマイ関東シリーズ第5戦に岡野選手とAE2クラスにWエントリー

9月21日」 全日本ジムカーナ選手権にエントリー

10月2日」 浅間台スポーツランドでテスト走行

10月28日」 インプレッション

11月7日」 パーツインフォメーション

11月24日」 インプレッション

12月18日」 パーツ情報

12月25日」 インプレッション

98年1月25日」 インプレッション

3月4日」 セッテイング

4月13日」 セッテイング

5月30日」 セッテイング

6月16日」 パーツテスト

9月4日」 セッテイング

11月26日」噂の対策カムを装着


インプレッション97.9.5

高速道路を走行した慣らし運転で感じたファーストインプレッションは、
ミラージュに比べてシフトレバー・ステアリング・ペダル類の剛性感やタッチが相変わらず良くない事で、
全てが「ぶよぶよ」していて頼りがない。
このフィーリングはホンダの伝統的なものらしいが、個人的には嫌いである。
また、アクセルストロークがインテグラRと同様に多すぎてベストなドライビングポジションを決めにくい。
ボディ剛性は異常に長いホイールベースの為か噂ほど高剛性とは感じられなかった。
確かにフロントとリヤの剛性は多少良いと思うが前後をつなぐフロアの中心部での「ねじれ」が多い様な気がする。
車体剛性に関してはミラージュの方が優れていると思う。
気になるエンジンはまだ5500rpmしか回していないので正確にはコメント出来ないが、
低回転でのトルクがミラージュよりやや薄い気がする。
ただ、エンジンフィールと排気音はさすがにホンダ製らしくミラージュの様ながさつさが無くとても気持ちが良い。
高速コーナリングはロングホイールベースと思えないほどミラージュに比べ非常にクイックで
イン側に鋭く巻き込もうとする傾向が有り馴れが必要かもしれない。
今回は一気に500kmを走行したが乗り心地が非常に良く疲れないので、
遠征での自走はミラージュより遙かに楽である。早く慣らしを終わらせて全開した〜い・・・。


インプレッション97.9.8

高速道路での慣らし運転が終了してやっとアクセルを全開出来るようになった。
VTECはメーター読みで6000rpmからハイカムに切り替わるが、MIVECに比べて極端にエンジン音が変化し、
いわゆるホンダサウンドが強烈に響いてくる。
ハイカムに切り替わった後のパワーは、さすがに185psのカタログ表示が納得できるほどパワフルである。
エンジンリミッターはメーター読みで約8800rpmで作動する。
おおむね1速で70km・2速で100km・3速で150kmまでカバーできる。
8800rpmまで引っ張った場合、1→2速で6500rpmにドロップするが、
十分ハイカム領域に留まるのでジムカーナでは問題ない。
ただ、ラリー・ダートラ等のダート路面で、タイヤスリップが多い場合はハイカム領域から外れる可能性があるのが
やや不安である(98年規定でクロスミッションがOKであれば問題ないが)。
低回転時のトルクはエンジンの慣らしが終了した時点ではエンジンが馴染んだ為か、
かなり向上して気にならない程度になった。
現在までで最も気になるのはパワステポンプの容量不足によるトルクステアで、女性等の腕力の無い人には辛い車かもしれない。
次回はジムカーナ場でのインプレッションを報告しようと思う。


インプレッション97.9.10

エンジン・LSD関係の慣らしが終了し、待望のジムカーナ場でのテストを開始した。
今回は地元栃木の「NISMOパドックin栃木」さんの「日光スピードパーク」での練習会におじゃまして実施した。
第一印象はとにかくミラージュに比べて重い事である。(GTRに比べれば遙かに軽いが(笑))
エンジンもまだ十分な当たりが取れていない為か、レスポンスがあまり良くなく感じられた。
気になっていたパワステはやはり容量不足で全開時のステアの切り返しでかなり腕力が要求される。
また、フロントの車高を下げる(もちろん規則の範囲であるが)とギャップでインナーフェンダーやインナーボディと
干渉する恐れが多いので注意が必要である。
ミラージュに比べてやや不足気味と思われたボディ剛性は、十分確保されていて、
ジムカーナ走行でも全く問題無い範囲であり、ボディ補強をやたらに行うとかえって曲がりにくくなる可能性が
高いので十分検討した方がいいと思う
(アルファでは取りあえず無補強でセッティングとパーツ開発を行う予定)。
シビックRの最も良い点は非常に優れたサスペンションレイアウトで、
回り込んだコーナーでの圧倒的なトラクションが印象に残った。
ただ、ターンでの旋回速度が遅い事と、無理をするとシャフトから直ぐに音がでるのが不満では有る
(セッテイングが煮詰まれば解決されるとは思うが)。
明日は、今日のセッテイングの問題点を解決するために、再度ジムカーナ場でテストを実施する事になった。
また、明後日の9月12日には「日光スピードパーク」でプレイドライブ誌の取材を受けながら、
ミラージュRSvsシビックRを岡野博史選手のドライブで実施する予定になっている。


インプレッション97.9.11

サスペンションセッテイングを変更し、ブレーキパッドのフロントGタイプとリヤメタルの試作等を持ち込み
「浅間台スポーツランド」でテスト走行を行った。
このコースは走り慣れているのでパーツの性能確認には最適である。
前日の走行で感じたサスペンションバランスの良さはこのコースでも遺憾なく発揮され、
ホンダのサスペンション設計者の実力を思い知った(ホンダではエンジン屋さんばかり目立っているが)。
やや重く感じられたエンジンもマイクロロン処理とリジットエアーフィルター(前日は付け忘れた)の効果で、かなり良くなった。
また、スプリングのバネレート変更とブレーキバランスの見直しで昨日よりターンがし易くなった。
ブレーキバランスはフロントがRB106でリヤがRB116RM(メタルとアスベストのコンビネーションパッド)が
今のところベストであると思う(タイヤメーカーやセッテイングで異なる)。
これでおおむね75%の仕上がりであろう。今後はフロントの3ポイントタワーバーの追加による
エンジンルームの剛性アップや前後のスタビライザーセッテイング・ホイールのサイズ&オフセット選択などの
多くの課題が残されている。
短時間で仕上げた今回のシビックを岡野選手がドライブしてどんなコメントを言うかが
チューナーとしての最大の楽しみである。


インプレッション97.9.12

いよいよミラージュとの比較テストを実施する事になった。
テスト会場は起伏の多い「日光スピードパーク」で、「PITin茨城」さんの練習会にお邪魔して行った。
岡野博史選手の詳しいコメントは10月発売の「プレイドライブ」を参照してほしいが、
結果は、岡野選手も僕も、このコースではミラージュの方が1分程度のコース設定で平均0.9秒ほど速かった(汗)。
慣らし運転の時点から指摘していたEK9のトルク不足がこの起伏の多いコースでは致命的であった。
特にスタートやターン後の立ち上がりがミラージュに比べて遅かった。
以下にシビックのメリット・デメリット及び対策方法を記載するが、
あくまでもシビックはセッテイングを開始してから10日間しかたっていない事をぜひ考慮して欲しい
(今後もっと速くなる?)。


シビックTypeR

《メリット》
☆ミラージュに比べてサスペンションの動きがしなやかで、トラクション面で優れている。
☆6000rpmを越えてからのパワーが圧倒的。
☆回り込んだコーナーでのアンダーステアが少ない。
☆コーナリング中での姿勢が安定している。
☆ミッションのシンクロフィーリングが良い。
☆スタイリッシュ(好みで分かれるが)
☆シート類の重量が比較的軽いので、あえて2名乗車にする必要性が少ない(家族ユースには良いかも?)。
☆アンダーコート類が少ないので手間がかからない(運転席だけには付いている)。
☆ロングホイールベースのために、ロングドライブが楽である。


《デメリット》
★車輌重量が重いために、スタートやターンの立ち上がりでもたつく。
★絶対的パワーを追求したためか、低回転時のトルクが不足している(半クラ多用によるクラッチ負担が多い)。
★ターンでの旋回速度が遅い。
★パワステの容量不足でステアリングがやや重い。
★ボディ中心部の剛性がやや不足しているので、Gの移り変わりに時間がかかる。
★クラッチペダルゴムが走行中に脱落する事がある(接着の必要性有り)。
★サイドブレーキレバーが後方に位置しているために、ターン時にレバーを引きにくい(左肩が痛くなった)。
★クラッチの絶対的容量が不足している(強化は必要)。
★ミッションとファイナルの設定がレース向けで、ジムカーナには適していない。
★シート類の重量が比較的軽いので軽量目的?で2名乗車にするメリットが少ない(汗)
★ドライブシャフトの強度に不安がある(まだ折れてはいないが、音は出始めている)。
★デメリットを克服するためにはかなりの出費を覚悟しなくてはならない。

《デメリット対策方法》

〔ドライビング〕

■半クラ多用による高回転の維持。
■1速下のギヤの多用で高回転の維持。
■トラクションを利用した早めのアクセルオン。


〔セッテイング〕

□サスペンションとボディセッテイングにより、レスポンスの向上を目指す。
□ファイナルギヤやミッションギャー比の適正化(98年規定でOKになれば)。OKになりました。
□トルク重視のマフラー&コンピューターの装着(98年規定でOKになれば)。マフラーはOK・コンピューターは不可
□徹底的な軽量化(苦労と不便の割には報われないかも?)


《中村誠司の現在(97.9.13)での総括》

今回のシビックTypeRには個人的にも大変期待していたが、大変残念なテスト結果となったしまった。
ホンダはシビックTypeRを徹底的にレース向けに設定したようで、
97年のJAF規定でジムカーナポテンシャルを向上させるにはかなりの努力を必要とする。
また、98年に予定されている車輌規定でセッティングすればデメリットをカバー出来ると思うが、
経費的に辛い事になると思われる。
全日本ジムカーナの様なターンの少ないカートコースジムカーナや滑りやすい路面ではシビックのメリット面が生きると思うが、
関東の様なターンの多いパイロンコースやグリップの良い路面ではハンディがある。
また、身長の低い人(170cm以下)やシートポジションが前の人はサイドブレーキレバーがかなり遠くなるので、
購入は慎重に!。
初中級者や経済的に苦しい人にはミラージュを、上級者(全日本クラス)や経済的に余裕のある人にはシビックをお薦めする。
カートコースでのポテンシャルは9月21日の「ラリーキッズ伊那」での全日本最終戦で判断したい。
「リジット・シビック」の走りを見たい人はこの全日本戦か9月15日のスピマイ「新潟/胎内スキー場」でのイベント走行を見て欲しい
(見てから買っても遅くはないぞ!)。
ただ、僕も乗りかかった船(買っちゃったから)なので、精一杯努力して
今回のテスト結果を覆す様なポテンシャルアップを目指す事にした。買った人は期待?して欲しい。


インプレッション97.9.15

EK9でのイベント初参加は、新潟の胎内スキー場でのスピマイジムカーナである。
今回は岡野博史選手とのWエントリーでデータ収集と実戦セッティングを行った。
前述の通りEK9の低回転時のトルク不足は致命傷で、
岡野選手(元C地区A2チャンプ)の腕をもってしてもフルパイロンコースではどうにもならなくて、
結果は散々なものであった(当然僕も)。
後は9月21日の「ラリーキッズ伊那」のカートコースでの実戦テストに期待するしかない。(汗)
PS:残念ながら予定していたフルパイロン設定の「東京ジムカーナシリーズ」での試走は
中止せざる負えなくなった(A2クラスに負けたら「ボウズ」にしろとみんなに言われているから)。


インプレッション97.9.21

EK9でのイベント参戦2戦目は「ラリーキッズ伊那」で行われた全日本ジムカーナ最終戦で、
カートコースでのポテンシャル確認を行った。
現地ではやはり「シビックR」に話題が集中し、そのポテンシャルに対する疑問(車両重量やトルク不足等)が噴出した。
山野選手もEK4とEK9を金曜日から現地に持ち込み、比較テストを行っていたが、
やはりEK4の方がタイムが出るので本番にはEK9を投入しないことに決めた。
結局、EK9での本番参加は、E地区の川脇選手とF地区の藤原選手と僕の3台となった。
このコースはやや起伏があり登りの2速のコーナーでは半クラッチを多用する事になり、
重量とトルク不足が問題のEK9には今回も辛い条件であった(果たして有利なコースがあるのか不安になってきた)。
成績も川脇選手が根性走りで9位になったが、他の2台は下位に低迷した。
シーズンオフでどれだけポテンシャルのアップがはかれるかが、今後の課題であると思う。


インプレッション97.10.2

EK9が納車されて早くも1ヶ月が経過した。
今回は「浅間台スポーツランド」での各種RIGIDパーツのテストを行った。
テストは僕と岡野の2人で担当して実施した。
EK9は走り込むほどにエンジンの調子が良くなる傾向があり、
「あたり」を出すのにはかなり時間がかかる様である。テスト結果では、
フラットなターンセクションが少ないコースではCJ4Aミラージュと互角のタイムが出る様になってきた。
今後のセッテイングの進化でより速くなる可能性が生まれてきたのでEK9を購入した人はぜひ期待してほしい。
(注:EK9のブレーキセッテイングはかなり難しく、安易なパーツの組み込みは危険なので、特に注意すること)


インプレッション97.10.28

現在の所、シビック(EK9)のセッテイングは特には進んでいないが、
乗り込むほどにエンジンのレスポンスは良くなる様である。
ただ、エンジンのフリクションが軽くなるだけであり「低速トルク」がアップすることは無いようだ。
そのために相変わらずターンの後のもたつき感は消えていない。
CJ4Aでかなり乗れている「地区戦ドライバー」を乗せてみても、
ターンの多いコースでは本人のCJ4Aのタイムには届かなかった。
やはり、今後のEK9のポテンシャルアップは「98年の車両規定」の内容にかなり影響されると思う
(クロスミッションやファイナルギヤ等)。
今はサスペンション関係のセッテイングを進化させる事と車に乗り慣れる事が大切であると考えている。


パーツ・インフォメーション97.11.7

98年シーズンに向けてアルファでもEK9用の各種パーツの開発を行っている。
現在はジムカーナ・ダートラ用の中低速重視タイプマフラーのテストを開始している。
はたして、マフラーの交換でEK9のエンジン特性を変えられるのか楽しみである。
また、某メーカーからEK4・EK9用の強化ドライブシャフトセット(1台分¥84,000)が近日中に発売されるらしい。
98年のレギュレーションで問題無ければ、シャフトトラブルから解放されることになり、
サイドターンで気にせずアクセルを全開出来ることになる。


インプレッション97.11.24

今回は「浅間台スポーツランド」でサスペンションテストを実施した。
純正形状ショック&スプリングセットと車高調整式ショック&直巻形状ショックセットの2種類をテストしたが、
結果的には1分10秒程度のパイロンコースで車高調整式ショック&直巻形状ショックセットの方が
平均約0.3秒程度のマージンがあった。
0.3秒のマージンをどうとらえるかは人によって異なるが、このタイム差は全日本選手の岡野博史がドライブした時の差であり、
一般的な選手ではほとんどタイム差が出ないと思うので、ドライバー各人のレベルや経済状況で選択すれば良いと思う。
今回初めてEK9のジムカーナ専用設計のショックをテストしたが、やはりストリートショックの流用に比べて
圧倒的なトラクションとコーナリング限界のアップが確認出来き、やっとEK9の来年の活躍に多少の期待感が持てるようになった。
ただ、トラクションが大幅にアップした為か、パワステの重さが従来より気になる。
特に連続するスラロームではステアリングが遅れてラインが乱れる事が多く、パワステに何らかの加工をする必要があると思う。
また、今回のテスト走行中にリヤのキャリパー不調でサイドブレーキの効きがおかしくなり、
サイドターンが全く出来ないという現象が発生した。
今後、「ブレーキングではリヤロックするのにサイドターンでロックしない現象」が発生したら、
キャリパー不良が十分に考えられるので点検してみて欲しい。


パーツ情報 97.12.18

1月にマイナーチェンジされるインテグラTypeRのファイナルギヤが
従来の4.4から4.8前後に変更されると言う情報を入手した。
シビックTypeRとインテグラTypeRは同じサイズのファイナルギヤを採用しているので、
今回変更される4.8前後のギヤもシビックに装着できる可能性が高いと思う。
現在市販で4.8前後のシビック用ファイナルギヤが14万円程度で発売されているが、
購入予定の人はこのインテグラのマイナーチェンジ車のファイナルギヤ比を確認してから決心した方が正解ではないだろうか。
(純正品の方が当然安いと思う。)今後は各メーカーの適切なギヤ比のクロスミッションの開発が望まれる。


インプレッション 97.12.25

今回は浅間台スポーツランドで「リジット・クロモリ軽量フライホイール」・「試作ファイナルギヤ」・
「リジット・試作スピードA車両マフラー」・「リジット・試作スリットローター」の走行性能テストを行った。
結果的には1分10秒程度のコースレイアウトで「ファイナルギヤ」と「クロモリ軽量フライホイール」の効果で
約0.6秒、「スピードA車両マフラー」の効果で約0.2秒ほどのタイムアップを確認できた。
やはり低速トルクが不足しているEK9にはローギヤードの「ファイナルギヤ」は必需品であった。
スタート発進でのもたつきや2速ギヤでの失速感が無くなり、ドライビングミスのリカバーが楽になり、
初中級のドライバーには非常に乗りやすいセッテイングになる。
また、「クロモリ軽量フライホイール」は「ファイナルギヤ」との併用により、
よりスムーズなエンジンレスポンスに貢献しているようである。
なお、マフラーの交換では極端なタイムアップは期待できないが、全体的にトルクが太くなり乗りやすくなる。
「スリットローター」については直接的な効果は確認出来なかったが、
ブレーキパッドの表面を常に良好なコンデションに維持する効果は期待できそうである。
98年の車両規定も正式に決定されて、以上のパーツは全て98年には使用できることになるが、
「マフラー」に関しては、各イベント主催者の判断で独自に規制出来ることになったので、
参加する競技会によってはマフラーの装着が出来なくなることも考えられる。
マフラーを購入する予定の選手は購入前に必ず参加を予定しているシリーズ事務局や各主催者に確認をとることをお薦めする。


インプレッション 98.1.25

今回も浅間台スポーツランドでテスト走行を行った。
今回のテスト内容は「新型LSDの性能確認」、「ショックの開発テスト」、「リジットスリットローターの2次テスト」、
「リジットA車両マフラーの開発テスト」、「ボンネット軽量化の効果確認」等で岡野博史選手が担当して行った。
結果的にはマフラーを除き、かなり良い結果を確認することが出来た。
特に「スリットローター」と「ボンネットの軽量化」は思った以上の効果があった。
マフラーに関してはノーマルエンジンではコストに見合った効果が確認出来ない事と、
かなり多くの選手や主催者が競技環境悪化に対する懸念があることを考えて、開発を一時中断する事にした。
なお、操縦性向上やタイムアップに貢献する「軽量ボンネット」は大至急開発することになった。
また、高速進入でのブレーキフィーリングが向上する「スリットローター」も新発売する事になった。


セッテイング 98.3.4

今回は浅間台スポーツランドで「新型のLSD改良品」のテストと「ファイナルギヤ/4.71」のテストとサスペンションの煮詰めを行った。
LSDの改良とファイナルの変更はかなり良い方向になり、
また、サスペンションスプリングの変更により全体的に煮詰まったセッテイングになって来た。
後は開発中のFRPボンネットを待つばかりである。


セッテイング 98.4.13

今回は浅間台スポーツランドで、「排気系チューニングの最終判断」を行った。
アルファとしてはマフラー系の開発を中断しているので、
他社の製品を購入してマフラー系チューニングのメリット・デメリットの最終結論を出すことにした。
今回装着した排気管及びマフラーはHONDAメインの某メーカー製で全日本の上位選手にも装着されている製品であり
触媒以外を全て交換するフルコンプリートチューニングタイプである。アイドリングでは非常に静かで、
これなら装着しても近所からのクレームが発生しないと思う。
価格は17万円ほどであるが、製品の仕上がりから見れば十分に納得出来る。
岡野博史選手によるジムカーナ走行テストを行ったところ、比較対照のノーマルマフラー仕様の車に比べて、
全体的なパワー感が向上したとは思えなかったが、低速でのトルク感はやや向上したようであり、エンジンフィーリングもなめらかになった。
全開走行時の排気音は「乾いた気持ちの良いサウンド」で見ている分には速そうに見える。
ただ、17万円の投資に見合うだけのタイムアップはとても望めそうも無いので、
どうしてもマフラーを交換したいと思う人以外には、あまりお薦め出来ない。
なお、装着することによるタイムダウン等の「害」は無いのでアルファのシビックでは継続して装着テストを実施することにした。


セッテイング 98.5.30

待望のリジットFRP軽量ボンネットを装着した、
当初、純正色に塗装する予定であったが、表面の仕上がりが非常に綺麗なので、
「ゲルコート仕上げ」の状態で使用することにした。
ボンネットの変更によりステアリングレスポンスが格段に向上し、ブレーキングも楽になった様である。
スプリングレートの小変更も行い、マシン全体が、かなりいい感じになってきている。
このシビックを6月14日に「西仙台ハイランド」で開催される「ADVANジムカーナミーティング」に持ち込み
岡野選手がデモランを行うので、興味の有る人は是非見に来て欲しい。


パーツテスト 98.6.16

6月13日に「日光スピードパーク(スポーツ走行)」、6月14日に「西仙台ハイランド(アドバンミーティング)」で
シビックのリジット・リヤスタビライザーのテスト走行を行った。
結果は装着することにより、コーナリング姿勢が安定し、ターンでの旋回性能も向上した。
リジットのスタビライザーは純正品(中実構造)とは異なり、レスポンスが鋭い「パイプ構造」を採用しているのが、
大いに貢献しているのだと思う。
シビックRユーザーには絶対のお薦めパーツであると思う。


セッテイング 98.9.4

シビックTypeRのパーツ開発も一段落して、
現在は吸気系のチューニングとリヤローター&キャリパーの改造を行っている。
吸気系はリジット・エアーフィルターのインテグラ用(RE104)とインテグラ用の純正インテークホースを流用して行う、
1万円以下の予算で出来るお手軽チューンの割には、タイムアップ効果が確認出来た。
この方法では、余分で重い純正クリーナーケースを外せるので、3kg程度の軽量化も可能である。
また、バッテリーも2輪用の密閉式MFタイプの物に変更し、約7kg程度の軽量化を行った。
リヤキャリパーとローターに関しては、ローターの外周部を旋盤加工で削り落としてEK4サイズとし、
EK4の純正キャリパーとEK4用のリジット・フルメタルブレーキパッド(RB111M)に交換した。
この改造には部品代とローター加工費で約6万円程度必要であるが、
EK9の標準キャリパーでのサイドターンに悩んでいる人は、ぜひトライしてみて欲しい。
嬉しくなるほどターンがやりやすくなるはずである。


噂の対策カムを装着 98.11.26

今、巷で噂されている「EK9用純正・低速トルク対策カムシャフト」を入手し装着してみた。
このカムは新型シビック用に設定された製品では有るが、部品番号の変更は行われず、
今後の(流通在庫品は除き)補修用として設定されているので交換に関しては規則上も問題は無いと判断されている。
テスト走行による結果は「これを装着しなくては勝ち目は無い」と言う程の物で、
前期型のEK9ユーザーは絶対に装着するべきである。
ターンの立ち上がりでのトルク感が圧倒的に向上し、低速カムから高速カムへのつながりも格段に向上する。
全日本の一部上級ドライバーの車には以前から装着されていたらしく、
こんなカムを付けた車とまともに戦っても勝ち目が無いのは当然かもしれない。
なお、トラブル防止の為にこの部品の純正品番については質問されても一切答えられないので、
各人で調べて欲しい。




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