ジムカーナレッスン


☆ドライビングポジション(ドライビングの超基本)


■ドライビングポジションは右足(アクセル・ブレーキ)のスペースを重視し決定する。
ヒール&トーが自由にでき、ペダルの踏み換え時に腿が上に上がらないようにする。
ステアリングが遠い場合はボススペーサーを追加し調整する。
また、クラッチを踏んだ時に左足が延びきる時は床にクラッチストッパー等を追加装着しペダルの位置調整を行う。

■右足の置く位置はアクセルとブレーキの中間よりややブレーキ寄りの位置にし、
踵をしっかり床に付ける。ペダルの踏み換えの時に踵が床から離れない様にする。
(素早いペダルの踏み換えと微妙なブレーキコントロールの為に必要。)

■左足は走行中にはクラッチの正面に常に置き、フットレストを使用しないことが望ましい。
右足と同様に踵は床に付けて、踵を支点にしてクラッチ操作を行う。
コーナリング時の微妙な半クラッチ操作をマスターするために絶対に必要。
ただし、シフトアップ時やストレートでクラッチを滑らせないように注意する事

無料のアルファ・ドライビングレクチャー受講をご希望の方はココをご覧下さい。


☆スタート(スタートダッシュで差をつけろ)


■スタート地点が傾斜している場合もあるので、サイドブレーキを必ず引いておくこと。

■スタート開始のクラッチミートはサイドブレーキを降ろしながら行う。
ただし、インプレッサのDCデフ付の車輌の場合に限っては、
完全にサイドブレーキを降ろし終わってからクラッチミートをすること。
(サイドブレーキを引いている間はセンターがフリーになっているため。)

■2輪駆動車のスタート発進はやや長めの半クラッチを使用し
軽いホイールスピンをさせてスタートさせる。
(一般に20%スリップが最もトラクションがかかると言われている。)

■4輪駆動車のスタート発進は高回転で一気に繋ぎ、4輪ホイールスピンを誘発させて行う。
4輪駆動車の発進で半クラッチを多用するとクラッチディスクの早期摩耗・フェード等の弊害が発生しやすい。
また、中途半端なスタートをしようとすると、タイヤグリップに負けてエンジンストールを起こしやすい。



☆シフトワーク(焦るが負けよ)


■シフトのアップ&ダウンは素早く行うのが原則であるが、
あせって行うとミスシフトやミッショントラブルを起こす場合があるので注意すること。
(ミッションの修理代は特に高い)

■シフトアップのタイミングは回転リミッターが効く直前まで引っ張る事が原則だが、
車種によっては高回転で急激にトルクが落ち込む場合が有るので、
その際はトルクの落ち込む直前の回転でシフトアップすること。
(シフトアップした後にトルクバンドから外れる車の場合は目一杯引っ張ること。)

■ヒール&トーを使用したシフトダウンを行う際のレーシング(空ぶかし)は次の加速の為に、
出来るだけ高回転で行うこと。



☆ブレーキング(完璧なマスターが勝利への近道)


■ブレーキングをマスターした者がジムカーナを征する。

■大アンダーステアも大オーバーステアもブレーキングコントロールですべて解決する。

■ブレーキを強く短く踏んでも、弱く長く踏んでもトータルタイムは変わらない。

■ブレーキを強く短く踏んで溜めた荷重は、反発で一気に抜けるが、
弱く長く踏んで溜めた荷重はゆっくりと抜けていく。

■ブレーキング開始ポイントは精神的に十分に余裕のある地点とし、
決して限界ぎりぎりの地点まで我慢しないようにする。

■ブレーキングの初期はブレーキペダルの右角をソフトに押し込む様に踏み始める。
(この際に決してガッンと踏まない様にする。特にメタルパッド装着車は要注意)

■ブレーキング時にリヤタイヤのロックを感じたら
少しブレーキ踏力を抜き再度リヤタイヤのグリップを復活させること。
(リヤタイヤをロックさせると制動距離が延びてしまう。)

■ブレーキングはステアリングをゆっくりと切り込みながらコーナーの奥まで行う。
(これにより十分な荷重移動が可能になる。)
コーナーリングの前半区間はブレーキングエリアとして使用する。
直線区間でブレーキングを終わらせてからコーナーに進入する、
といつまでも車の向きが変わらずアンダーステアを発生させやすい。

■ABS機構付き車両の場合は出来るだけ直線部分で制動を終らせでからコーナーに進入する。



☆コーナーリング(ここでスターが生まれる)


■コーナリングの極意は『ブレーキングはステアリングを切り込みながら、
アクセルオンはステアリングを戻しながら』である。

■最速コーナリングを目指すには、ステリングの舵角をいかに少なくするか考えることである。

■ライン走行は大切であるが、やたらに遠回りするラインはタイムダウンの原因になるので、
近回りのラインを常に探すこと。

■他クラスの走行を見て、ライン取りやサイドの使用の有無・使用するギヤ等をいたずらに変更しないこと。
ただし、路面のグリップ状況は参考にすること。

■ステアリング操作とブレーキ操作は絶対に急激に行ってはいけない。
共にコーナーの手前からゆっくり徐々に行うこと。
急激な操作は必ず大アンダーステアや竜巻スピンを誘発させる。

■ブレーキングによる荷重移動終了後のアクセルオンはテールスライド量により調整するが、
アクセルは踏み込み側の調整のみとしアクセルのオンオフによるコントロールは出来るだけ行わない。
アクセルオンはステアリングを戻しながら行うこと。
決してステアリングを切り込みながら行ってはいけない。

■コーナーの走行イメージはV型としコーナーの頂点付近で、ソフトなブレーキングによる十分な荷重移動を利用し、
一気に向きを変えコーナーを立ち上がること。
(ABS付車両の場合は直線部分で出来るだけ制動を終らせてからコーナーに進入する。)

■コーナーリング進入時にアンダーステアの発生を感じたら、素早くクラッチを切ってアンダーステアを解消し、
再度半クラッチを使用しクラッチを繋ぐこと。

■コーナーリングでのギヤー選択に迷った場合は、下のギヤーを選択する。
(2速→1速・3速→2速)



☆ドリフト(大ドリフトはただの芋)

■ドリフトの目的は積極的に向きを変えて、アクセルオンのタイミングを早くするためである。

■不確実でロスの多いドリフト走行は確実なグリップ走行に比べはるかに遅い。

■ドリフトは自ら意識して積極的に行うもので、
自分の意志に関係無くドリフトした場合はいかにコントロールしたとしても全てタイムロスになる。

■ジムカーナにおけるベストなドリフトとは弱カウンターでのスムーズな4輪ドリフトのことで、
大カウンターをあててのドリフト走行は、
スピンを止めているだけのタイムロスをする失敗ドリフトである。

■4輪ドリフトはタイヤ4輪すべての性能を限界まで使い切るテクニックで
自由自在にコントロール出来れば
スーパータイムを自分のものに出来るが、その分リスクも大きく、
練習会で100%成功しないかぎり
実戦ではリスクが大きくてなかなか使えないテクニックでもある。

■車をドリフト状態に持ち込む方法は大きく分けて、
@サイドブレーキ・Aブレーキング・Bタックイン(慣性モーメント)・Cフェイント(荷重移動)の4種類がある。

@サイドブレーキによるドリフトはセッテイングの良くない4WD車やアンダーステの強いFR車でよく使用される方法で、
コーナーの進入のやや手前で瞬間的に強くサイドブレーキを引き、すかさずアクセルオンでテールスライドを維持しながらコーナーを脱出するという、
車を強引にドリフト状態に持ち込む方法であるが、カウンターステアによるタイムロスになりやすい。
この方法でしかコーナリングがうまく行かない車は、サスペンションやLSDのセッティングを根本から見直した方がいい。
また、安易にドリフト状態に持ち込めるので、普段からこれに頼って走っていると運転技量が向上しないので注意が必要である。

Aブレーキングでドリフト状態にするには、車輌のブレーキバランスがリヤ寄りであることが絶対条件で
フルブレーキングの時にフロントからタイヤがロックする様な車では出来ないテクニックである。
ブレーキを利用してドリフト状態にするには、ブレーキをコーナーの奥まで残し十分なフロント荷重にし、
軽いリヤロックを誘発させて素早くアクセルオンでテールスライドを維持するのであるが、
その際にアクセルオンが少しでも遅れると、急激なアンダーやオーバーが発生するので特に注意が必要である。

BタックインはFF車だけの現象であると思われがちであるが、全ての駆動方式で大なり小なり発生している。
(FF車以外では慣性ドリフトとも言われる。)タックインを利用しドリフト状態にするには、
ややオーバースピードでコーナーに進入し、瞬間的にアクセルをオフして、
フロントを巻き込ませることによりリヤのスライドを誘発させるのであるが、
現実的にはタックインだけではドリフト状態に持ち込めない場合があるので、
瞬間的にブレーキ踏むことによりタックイン現象を助長させることもある。

C積極的にフェイントを利用したドリフト走行はブラインドコーナーの多いラリーで良く使われる走行方法であるが、
ジムカーナでも左右の荷重移動をきっかけにしてドリフト状態にするテクニックとして多くの上級ドライバーが使用している。
これは、S字コーナーリングで手前のコーナーからドリフト状態に持ち込み
、コーナーの折り返し地点で左右の荷重を一気に移動させ次のドリフトに持ち込む方法で、
絶妙なアクセルコントロールとコントロール性能の優れたマシンセッティングが要求されるテクニックである。
ただし、大カウンターステアを当てるようなラフな走行では大きくタイムロスをするので注意が必要である。
このドリフトテクニックを100%マスターすることが、上級ドライバーへステップアップする必須条件である。



☆サイドターン(やたらに使うと致命的)


■サイドターンの極意は、ターンが可能な速度をどこまで低く出来るかである。

■サイドターンを成功させるには、
サイドブレーキを引き始めるまでフットブレーキを踏んでいることである

■サイドブレーキを使用した方向転換は最終手段とし、
ライン走行やブレーキングドリフト・タックインドリフトなどの他の方法を考えること。
サイドブレーキをやたらに使用する走行はタイムロスにつながる。

■サイドターン時のステアリング角度は旋回角度に応じて切り込むこと。
特に200°以上のターンの場合にはサイドブレーキを引く前に極力ステアリングを多く切り込むこと。
(サイドブレーキを引き損なった場合の旋回半径を小さくするために。)

■サイドターンの際のブレーキングはサイドブレーキを引く瞬間まで行い、
ターンの旋回軸を確保すること。
ただし、ブレーキングは極力ソフトに行い、フロントロックを絶対にさせてはいけない。
フロントロックを一瞬でもさせると、旋回軸を失いターンを不可能としたり、
旋回半径が大きくなってしまうので十分注意する事。

■FF車のサイドターン時のサイドブレーキの引き方は、極力強く且つ長く引くこと。
ただし、旋回途中でテールの旋回速度が低下したと感じた場合には、
一端サイドブレーキを戻し、再び強く引き直すこと。
(無理をすると車種によっては、ドライブシャフトを破損することがある。)
アクセルオンはサイドブレーキを引くと同時に素早く行うこと。
FF車においてもターンによっては、クラッチを切って行った方が速い場合があるので、
FF車のターンはクラッチを切らなくても良いと言う先入観を持たずに色々とトライすること。
特に180°以下のターンやフリーターンにおいては有効である。
ただし、クラッチを切ってターンを行う場合は、クラッチミート時に半クラッチを多用するので、
メタルクラッチディスク装着車では難しい。

■4WD車のサイドターン時のサイドブレーキの引き方は、
ターンの角度に関係なく常に瞬間的にガッンという感じで強く一気に引くこと。
この際大切な事は、クラッチのミートの仕方で半クラは使わず一気にドンと繋ぐこと。
また、ステアリングはサイドを引く前に、ターン角度に応じて十分に切り込んでおくこと。

■FR・RR車のサイドターン時のサイドブレーキの引き方は、
旋回角度に応じてサイドブレーキの引き量や進入速度を調整すること。
FR・RR車のサイドターンで大切な事は、サイドブレーキの引き方よりも、
引いた後のクラッチのミートコントロールである。
無神経にクラッチミートせずに、テールの旋回速度・グリップ感に応じて半クラッチを使用すること。
また、旋回終了後に大カウンターステアがあたっている様な事がないようにすること。



☆スラローム(ジムカーナの基本的テクニック)

■スラロームの極意はスムーズでリズミカルなパイロン通過である。

■スラローム走行は進入速度を必ず適正速度まで落とし、
パイロンを追いかける様に加速をしながら通過すること。
また、各パイロンの通過前に軽くブレーキングを行い荷重移動により車の頭を入れること。

■スラロームは極力パイロンに近づけることが、タイムアップの早道である。



☆フリーターン秒で差が付く区間です)

■フリーターンの極意は、パイロンタッチをせずに、
いかにフリーターンゲートの近くでターンをするかである。

■フリーターンゲートから1m奥に行くと往復で2mも余分に走行しなくてはいけない事を
十分認識すること。

■フリーターン区間への進入速度はクイックターンが可能な最低速度まで減速すること。
進入速度が高いとゲート近くでのターンは絶対出来ない。
(低速度でのクイックターンをマスターすること。)

■右ターンか左ターンかの選択は、
フリーターン区間脱出後の次のコーナーの進入に有利な方を選ぶこと。
ただし、100%成功する確信の無いターン方向は選択しないこと。



☆縁石走行(ハイリスク・ハイリターン)


■タイヤをイン側の縁石に乗せて走行するのは、コーナリング時のアンダーステアを消し、
ショートカットするのには有効な手段ではあるが、マシンダメージや横転の危険性が高いので、
競技会に於いて絶対に有利な場合だけ使用する事。
(軽自動車は縁石走行をするといとも簡単に横転するので絶対に乗せて走行してはいけない。)





BACK