ジュラルミン・ホイールナットの解説
■何で「ジュラルミンナット」に交換する必要があるのか?
「ジュラルミン・ホイールナット」を交換する必然性を聞くと、
大半の人が、「軽量化」と答えることが多いのですが、
アルファは、「ジュラルミン・ホイールナットに交換する最大の目的は、
ハブボルトの破損防止だ。」と答えます。
(もちろん軽量化効果が皆無だとは言いませんが・・・。)
純正スチールナットの場合には、「締めすぎによるハブボルトの伸び」、
「錆等によるナットとハブボルトの癒着」等のトラブルを誘発しやすく、
最悪の場合には、ナットを緩めるときにハブボルトが破損する可能性があります。
その点を防止するのが、ジュラルミンホイールナットです。
ジュラルミンホイールナットはスチールナットに比べて、
やはり強度的には劣っているので、締めすぎによるハブボルトの伸びは発生しにくく、
また、異種材なので、錆等による癒着も起きません。
極端な締めすぎ等による、万が一のトラブルが発生した場合でも、
ナット側はダメージを受けますが、ハブボルト側には影響が少ないので、
ナットの交換で簡単に修理できるメリットがあります。
ハブボルト側の修理には、工賃がかなり必要になりますので、
ハブボルトを1本交換する工賃で、ジュラルミン・ホイールナットが
1台分購入できることもあります。
また、競技会場で万が一ナット側が破損しても、
ナットの交換で直ぐに対処出来ますが、
ハブボルト側を破損した場合には、現地での修理は非常に困難なので、
その競技会での走行が出来なくなる可能性があります。
(ハブボルトが破損した状態での走行は、まず認められることはありません。)
■袋タイプと貫通タイプ、どちらが良いのか?
色々な考え方があると思いますが、アルファでは「袋タイプ」を薦めています。
「貫通タイプ」の場合には、軽量と言う観点では、「袋タイプ」よりも
優れていると言えますが、穴の部分から泥等が進入する可能性があり、
「ハブボルトの保護」が「ジュラルミン・ホイールナット」の最大の役割だと
考えているアルファでは、このタイプは薦めていません。
■色によって違いはあるのか?
「ジュラルミン・ホイールナット」の着色は、アルマイト処理で行われています。
色による性能差はありません。(個人的な好みで選択してください。)
ただ、赤や黒等の色の濃いナットは、日光等の影響で
長期間使用すると退色(色が薄くなる)する傾向がありますので、
特別、色にこだわらなければ、「シルバー」がお薦めです。
「シルバー」はジュラルミン本来の色に近いので、
頻度の高いタイヤ交換サイクルでもナットの傷が
目立たないというメリットがあります。
■耐久性は?
「ジュラルミン・ホイールナット」は一般的に、
「超々ジュラルミン7075材」を使用しているので、かなりの高耐久性ですが、
ジムカーナ等のタイヤ交換頻度の高い使用条件では、定期的な交換が必要です。
タイヤの交換頻度は人それぞれですが、それなりの交換頻度の場合には
最低2年に一度は交換した方が安心です。
■使用上の注意点は?
「ジュラルミン・ホイールナット」の脱着に、エアーインパクトを使用する際には
ナットの早期摩耗・破損の原因になりますので、
コンプレッサーのエアー圧設定には十分に配慮してください。
ナットを締め付けるときは、十字レンチ、規定トルク内の
電動インパクトレンチの使用を強く推奨します。
(電動インパクトレンチを使用した場合には、締め付けトルクが
不均等になる場合がありますので、必ず、十字レンチやトルクレンチで
締め付けトルク「10〜12kg・m」の再確認をしてください。)
■お薦めの製品は?
アルファでは「袋タイプ」で高強度を誇る「リジット・ホイールナット」をお薦めしています。